〜ディプレッションガラス〜
アメリカングラスには、
アーリーアメリカンプレスグラス(1820−1910)、アメリカンブリリアントカットグラス(1882−1915)、アートグラス(1900−1930)、カーニヴァルグラス(1905−1930)、ディプレッショングラス(1929−1935)、エレガントグラス(1925−1955)と製造された時代、流行った時代がある。 呼称も、ミルクグラス、ヴァセリングラス、プレスグラス、エレガントグラス、ディプレッショングラス、パターングラスとあり、型や色で分けられる場合もある。 プレスグラス、パターングラス、ディプレッショングラスは、時代が少しずれるが同一と考えていいと思われる。
その中でも、昨今、コレクターに最も人気が高いグラス製品がディプレッショングラスと呼ばれているプレスグラスであり透明、半透明、色付けである。
ディプレッションコレクターの間では、一応1920年〜1970年の間に作られた製品をディプレッショングラスと呼んでいるが、実際には1929年~1935年に生産され、大恐慌時代と重なったプレスグラスの呼称がディプレッショングラスである。 収集家の間で1970年に作られたものもディプレッショングラスと呼ばれているのは、人気パターンが1970年代にリプロダクションされ、その年に製造されたパターンは数が少ないからである。
ディプレッショングラスとは
ディプレッションガラスとは、その名の通り、1920年代後半アメリカの不況時代に作られたガラス製品である。
1929年10月24日(木曜日)、歴史の1ページにも記されているニューヨークの株大暴落(暗黒の木曜日)から世界的規模の経済恐慌に陥り、世の中は暗い時代へと突入した。その時代に少しでも世の中を明るくするが如く、家具や食器に色付けをしたという話をアンティークディラー仲間から聞いたことがある(ガラス製品の色付けは1900年当初からある)。 私自身、グリーンに塗装された1920年代の家具を持っている。 マホガニー材に塗装されていて、買った当初は、塗装がない方がどれだけ良いかと思っていたが、ディプレッショングラスを収集してガラス器の色を見ているうちに、同時期ということに頷き、今では美しいとさえ思えている。
「リコレクション」等と銘うって、オリジナルの会社が倒産後引き継いだ会社から出ているなど、売れる商品の呼び方は何とでもなる。リコレクションには「1975」と製造年を刻印している会社もある。
1820年代にプレスグラス機が開発され、1900年当初には、プレスグラスのディナーセットや花瓶などが低いコストで大量生産された。アメリカグラス産業にとっては最も画期的な時代だったのだろう。 1825年にBOSTON
& SANDWICH GLASS
CO.がサンドイッチグラス(パターン)としてプレスグラスを始めている。その後、サンドイッチのパターンは4,5社によって作られていて、色によっては最近(1990年代後半)になっても作られているので見分けが大変である。 日本を含むヨーロッパの有名な磁器会社で用いられているブルーオニオンのパターンと同じである。 パターンと色と型に知識があっても新しいものを掴む時がある。
1920年頃から殆どの工場が資金繰りに苦しくなり、工場はデザイン部門の人員削減を始めた。
プレスグラスは厚みを薄く、色も薄くして会社存続方法を考えたようである。
EAPG
(Early American Press Glass/アーリーアメリカン プレスグラス)
のプレスグラスは分厚く重量感があり、日本のラムネ瓶を思わせる。
試行錯誤を重ねても会社倒産を余儀なくされ、工場は機械、型、従業員を引き受けてくれる会社を探す、リストラクション、合併、閉鎖が繰り返されて社名や所在が何度も替わっている会社がある。
そうなると同じパターンの製品が複数の会社の製品として扱われることになる。 私は自分が収集したグラスパターンの製造年代を調べているうちに、会社の履歴まで調べる事になり、当時のアメリカ不況時代の背景が分かって面白くなり愛着も湧いてきた。
殆どの工場は中西部辺りのOhio、Pennsylvania、W.Virginiaが多い。 鉱産物、工業製品生産の地でもあり、OHIO
の北部はミシガン州、自動車産業で有名なデトロイト市がある。
オハイオ州とミシガン州の境にトレド市(オハイオ州)がある。 デトロイト市の自動車産業が発達に伴ってフロントグラスやウインドーグラス等、ガラス産業で大きく発展した市らしい。
昨今いわれている、サブプライムローンから始まった世界的金融恐慌、デトロイト市の自動車産業の斜陽時代、工場閉鎖、人員削減など、1930年時代のガラス会社を調べていると、今の時代と重なるもの多く、時代〈歴史〉は繰り返すとはよくいったものだと思った。
アメリカの作家、ジョン
スタインベックの「怒りの葡萄」は誰もが読んでいる有名な小説ですが、たまたま最近その映画を観た。 舞台は中南部だが、DUST BOWL(1930年代に起きた砂嵐の被害)を受けた住民等が家、敷地を取られカリフォルニア州へ出稼ぎに行くという筋書ですが、この時代は全米が不況嵐の真っ只中だったのだと、ディプレッショングラスの時代と重ねて映像を観て非常に感慨深かった。
戦後(1950年後半)に、安価なグラス製品や、輸入磁器等の普及によって、大半の工場が閉鎖された。
1969年、骨董本の発行により、廃版されたディプレッショングラスは再び脚光を浴びた。車社会となり、コレクターが気軽に州から州へとアンティークショップを巡り、既に工場閉鎖で廃版となったディプレッショングラスを探すようになった。 一時は株より値上がりが早いといわれた時期もあったらしい。 製造年数が短いこと、製造個数が少ないことが希少価値に繋がった値上がりだと思われる。不思議なのは、技術的に難しいのか同じパターンでも色によって値段差がある。 私は、ロイヤルレース型でピンクのカップ&ソーサーを持っている。これがブルーになると同じ型、同じ製造年数でも百ドル高くなるといっても過言でない。
1930年時代のディプレッショングラスの販売方法は、食料品会社「Quaker Oat
Co.」が、クッキーや小麦粉の販売促進の一環としてディプレッショングラス容器を使用した。 映画館でチケットを買った時、ガソリンスタンドでガソリンを入れた時、食料品店で商品を購入 した時の景品とした方法だった。 ディプレッショングラスを商品として、店舗にディスプレーし販売していた店は、日本にある100円ショップのような店舗で、「ダイム(10¢)ストアー」といわれている安物売りのショップである。 数年前、頂いたキャンディーがある。容器として使用したコンポートがフェントン会社の製品であったので、今でもその習慣が残っているのかと思う。
1920年から工場危機が続いている工場で、1929年に生産されたディプレッショングラスは、元々が“ガラクタ”と名がつく安物をその時代に作っていたらしい。 技術的なことは理解できないが、シリカサンド、シリカ、ソーダー灰、石灰岩等をセラミックタンクで熱しパイプを通して型に流したとある。この工程が安物に繋がるかどうかは別として、ディプレッショングラスの多くに見られるのは、気泡、凹み、パターンのズレ、濁り等である。 現在のオークション等では、工場傷として売買や価格に全く支障を来さない。 むしろ気泡や凹みがある方が本物という見方があるくらいだ。但し、欠け、皹で値段は左右する。 しかし、細かいのは、ほつれとして直して販売する場合がある。 他、ディナープレートやケーキプレートにフォークとナイフを使っている国なので切り傷(細かいライン)が残っている場合があるが余程の切り傷(硬い肉をナイフで切り刻んだ回数)で無い限りほとんど値段に左右されない。
ガラクタと名が付く商品ではあるが、其々の型にしっかりと名前(パターン参照)が付いているのが素朴さの中に遊びがあり、不況時代を乗り越えたいという願望も現われているように見える。
不況時代に最初から安物商品として作られているので、ダイムストアーで売られるのは当然といえば当然だが、時代を経て生産年数の少ないディプレッショングラスは希少価値から今でも値が釣りあがっている。
当時は8ピースのディナーセットが$2(1933年)。ディナーセットのサイズは会社によって少し異なるが、デザート皿(14cm)、パン、バター皿(18cm)、サラダ皿(19cm)ランチョン皿(20~23cm)、ブレックファースト皿(23cm)、ディナー皿(25.5cm)、グリル皿(33cm)、カップ&ソーサーである。 他、タンブラー、シャーベットグラスとあるがタンブラー、ゴブレットは数が少ない。
下の2つの写真は、1930年当時の広告から。
主なガラス工場名、所在、パターン、カラー:
パターンは数百社から3000種あり、製品として製作されたのは1000種らしい。
動物、花、鳥、幾何学模様からなる人気のある270種の中から、自分の好みだけで選んだパターンを記述。
● Akro-Agate Co.(1914-1951)……Clarksburg, West Virginia
●
Belmont Tumbler Co. (1920-1952)
……Bellaire, Ohio
○ボゥノット “蝶結び” 1920年後半 グリーンのみ
○ローズ カメオ 1931年 グリーンのみ
● Central Glass Works( )……
○フランシス 1920年後半-1930年前半 アンバー、ブラック、ブルー
● Dell Glass Co. ( ) ……Millville, New Jersey
○チューリップ 1930年後半-1940年後半 アメジスト、ブルー、グリーン
● Diamond Glassware Co.(1925-1930)……
○アダムス リブ 1925年 アンバー、グリーン、ピンク 他
○ヴィクトリー 1928-1931年 アンバー、ピンク、グリーン
● Duncan and Miller Glass (1893-1955) ……Washington, Pennsylvania
○サンドイッチ“Line #41” 1924-1955年 主に透明、アンバー、ブルー 他
● Federal Glass Co. (1900-1979) ……Columbus, Ohio
○コロンビア 1938-1942年 透明、ピンク
○ジョージアン“ラヴ バード” 1931-1936年 グリーン、透明、アンバー
○マドリード 1932-1939年 アンバー、イエロー、マドンナブルー 他
○メイフェアー 1934年 アンバー、透明、グリーン
○ノーマンディ 1933-1940年 玉虫色、アンバー、ピンク、透明
○パロット“森のオウム” 1931-1932年 グリーン、アンバー、透明、ブルー
○パトレシアン“スポーク” 1933-1937年 ピンク、グリーン、透明、アンバー
○ローズマリー“ダッチローズ”1935-1937年 アンバー、グリーン、ピンク 他
○シャロン“キャベッジローズ”1935-1939年 ピンク、グリーン、アンバー 他
● Hazel-Atlas Glass Co. (1902-1956) ……Washington, Pennsylvania
○クローバーリーフ 1930-1936年 グリーン、ピンク、イエロー 他
○フロレンティー#1、#2 “ポピー”1932-1935年 ピンク、グリーン 他
○フルーツ 1931-1935年 透明、グリーン、ピンク 他
○ロイヤルレース 1934-1941年 コバルトブルー、グリーン、ピンク
● Hocking Glass Co. / Anchor Hocking Glass Co. (1905-現在) ……Lancaster, Ohio
(1937年 Hocking Glass Co.と Anchor Hocking Glass Co.が合併)
○カメオ “バレリーナ” 1930-1934年 グリーン、イエロー 他
○サンドイッチ 1939-1964年 ゴールド、グリーン
○コロニアル“ナイフとフォーク” 1934-1938年 グリーン、ピンク 他
○メイフェアー“オープンローズ” 1931-1937年 ピンク、アイスブルー 他3色
○オールド
コロニー“オープンレース”1935-1938年 主にピンク、透明、グリーン
○プリンセス 1931-1935年 グリーン、イエロー、ピンク 他
○ファイヤーキング“フィルビ” 1937-1938年 ブルー、グリーン、ピンク、透明
○ファイヤーキング“プリムローズ”1950-1960年 白地に赤い花
○ファイヤーキング“スワイル” 1950-1960年 淡い青、アイボリー、ピンク
○ファイヤーキング“トルコブルー”1957-1958年 トルコブルー
● Indiana Glass Co. (1907-2000) ……Dunkirk, Indiana
○サンドイッチ 1920年代-1980年代 アンバー、透明、レッド 他
○アボガド “スイートペア” 1923-1933年 透明、グリーン、ピンク、白
○クラックド
アイス 1930年代 グリーン、ピンクのみ
○ピラミッド“No.610”
1926-1932年 グリーン、ピンク、ブルー 他
○ホース
シュー “No. 612” 1930-1933年 透明、グリーン、ピンク、イエロー
○ロレアン“バスケットNo. 615”1929-1932年 グリーン、イエロー、透明
○ティールーム 1926-1931年 グリーン、ピンク、アンバー
○ヴァノン “No. 616”
1930-1932年 グリーン、透明、イエロー 他
● Imperial Glass Co. (1904-1982) ……Bellaire, Ohio
(1973年LENOX. INCへ売却)
○ダイヤモンド キルト 1920年後半-1930年前半 ピンク、ブルー、グリーン
○レースエッジ 1930年前半 乳白色縁のブルーとグリーン
● Jeannette Glass Co. (1900-現在) ……Jeannette, Pennsylvania
○アイリス 1928-1932年、1970年代 透明、玉虫色 他
○アダム 1932-1934年 ピンク、グリーン 他
○チェリー
ブロッサム
1930-1939年 ピンク、グリーン、ブルー 他
○キュービスト 1929-1933年 ピンク、グリーン、透明 他3色
○フローラル“ポインセチア” 1931-1935年 ピンク、グリーン 他
○シアラ “風車” 1931-1933年 グリーン、ピンク 他
○サンフラワー 1930年代 ピンク、グリーン 他
● Jenkins Glass Co. (1901-1932) ……Kokomo, Indiana
● Lancaster Glass Co. (1908-1983 ) ……Lancaster, Ohio
(Fostoria Glass Co.へ売却)
○サンシャイン 1932年 ピンク、グリーン、透明
○パトリック 1930年前半 イエロー、ピンク
○ジュビリー 1930年前半 イエロー、ピンク、透明
● L.E.Smith Glass Co. (1911-現在) ……Mt. Pleasant, Pennsylvania
○マウント プリザント 1920-1934年 ブラック、アメジスト 他5色
○ロマネスク 1930年前半 アンバー、ブラック、グリーン
● Libbey Glass Co. (1892-現在) ……Toledo, Ohio
● Liberty Cut Glass Works (1903-1932) ……Egg Harbor, New Jersey
○アメリカンパイオニア 1931-1934年 アンバー、透明、グリーン、ピンク
● Macbeth-Evans Glass Co. (1899-1987) ……Elwood, Indiana; Toledo, Ohio
○アメリカン
スイートハート 1930-1936年 ピンク、ルビーコバルト 他
○ドッグウッド “ハナミズキ” 1929-1932年 ピンク、グリーン 他
○’S'パターン “ローズバンド” 1930-1933年 透明、アンバー 他
○アザミ
1929-1930年 グリーン、ピンク、イエロー、透明
● McKee Glass Co. (1853-1951) ……Jeannette, Pennsylvania
(1961年 Jeannette Glass Co.へ売却)
○ロック
クリスタル 1920年代(1930年代〜カラー) アンバー、アメジスト
※
1880年代のカットグラスパターンやヨーロッパ時代の高級グラスを真似る。
● Morgantown Glass Co.(1901-1937)……Morgantown, West Virginia
(Economy Glass Co. 1923-1929 )
○ラウンド
ロビン 1923-1930年
● New Martinsvill Manufacturing Glass Co. (1901-1944)……New Martinsvill, West Virginia
○ピーコック
リバーズ “デリラ” 1930年代 コバルトブルー、レッド 他
○レディアンス “光輝” 1936-1939年 アンバー、アイスブルー、レッド 他
● Standard Glass Manufacturing Co.(1930年代)……
○グレープ “Cut #6” 1932-1936年 透明、グリーン、ピンク
● U.S. Glass Co. (1891-1966) ……Tifitin, Ohio; Gas City, Indiana
○フローラルとダイアモンドバンド 1920年後半 ピンク、グリーン、黒、透明、玉虫色
○チェリー
ベリー
1930年前半 グリーン、ピンク 他
○フラワーガーデンとバタフライ
1920年後半 ピンク、グリーン、ブルー 他5色
○プリモ
1930年前半 グリーン、イエロー
○ストロベリー 1930年前半 ピンク、グリーン 他
● Westmoreland Glass Co. (1890-1984) ……Grapevill, Pennsylvania
○デラ
ロビア“#1058”
1920年後半-1940年代 透明(ハンドペイントあり)
○イングリッシュ ホボネイル“Line#555” 1917-1940年前半(1980年代迄
製造される)
○オレゴン
グレープ
1930年代 透明、グリーン、ピンク
※ “W”、“G” のマークは1949年以降のもの。
エレガントグラスとは:
ディプレッショングラスのセカンドカテゴリーで、同時代の1920年〜50年代にハンドプレス、ハンドブロー等、品質を高くして、技法をエッチングとして出された製品である。 エッチングされたグラスは、グラヴュールグラスに似て高級感があることから、「エレガントグラス」「エッチンググラス」等と呼ばれているが、ディプレッション時代なので、ディプレッショングラスとも呼ばれている。ディプレッショングラスのように色付けがなく、ほとんどが透明にエッジングされている。製品もディナーセットは殆どなく、ボール、コンポート、キャンディー入れ、カクテルグラス、ワイングラス、マヨネーズ入れ、キャンドル立て、ピッチャー、花器、ランプ等、器類が多い。
販売店は、先に述べたディプレッショングラスと違い、デパートやジェリーショップ(宝石店は銀食器を扱っている店が多い)等に陳列された。
エレガントグラスが高級品として作られたとしても、日常生活に使う食器類なので、エッチングされた花柄パターンを楽しみながら、高級感を味わい気軽に使う事ができる。
エレガントグラス会社とパターンの一部:
■Cambridge Glass Co.(1901-1958)……Cambridge, Ohio
○キャンドルライト 1936-1950年 透明
○ダイアン 1931-1956年 透明、アンバー
○アップル
ブロッサム 1930-1940年 アンバー、透明、イエロー
※
三角の中に“C”マークは1915-1930年代のもの。
■Central Glass Works(?−1939)……Summitville, Indiana
○モーガン 1922-1930年 グリーン、ピンク
■Consolidated Glass Co. (?−1964) ……
○ダンシング
ニップ 1926-1939年 ステインズ、透明、グリーン、ピンク
○ルーバ
ロビック
1928-1932年 グリーン、紫、イエロー
■Duncan and Miller Glass (1893-1955) ……Washington, Pennsylvania
○ファースト ラヴ 1930年代後半/1940年代 透明のみ
○カルビアン 1936-1955年 透明、ブルー
■Fenton Art Glass Co. (1906-現在) ……Williamstown, West Virginia
○ホボネイル・オパールセント 1939-1990年代 ブルー、クランベリー、グリーン
○リンカーン イン 1928-1937年 ブラック、グリーン、ブルー、ルビー
○チャントリィー 1936-1958年 透明のみ
○ローズ
ポイント 1935-1954年 透明、アンバー
○クレオ 1921-1945年 アンバー、グリーン、イエロー 他
○インペリアル ハント 1927-1930年半ば アンバー、透明、ブラック
○ポーシャ 1932-1953年 透明、ルビー、アンバー
○ロザリー 1928-1938年 グリーン、ピンク、ブルー
○ワイルドフラワー 1940-1958年 透明、アンバー、ブラック
■Fostoria Glass Co.(1887-1986)……Fostoria, Ohio; Movndsvill, West Virginia (1891)
○チンズ 1940-1976年 透明
○キューピッド
1927-1929年 ブルー、グリーン、ブラック
○フェアー
ファックス“No.2375” 1933-1960年 アンバー、グリーン 他
○ジューン 1928-1952年 ブルー、透明、ピンク
○メデュー
ローズ 1937-1982年 ブルー、透明
○ナバレ 1936-1982年 ブルー、透明、ピンク
○オークリーフ&オークウッド 1928-1931年 ブルー、透明、グリーン
○ロマンス 1942-1982年 透明のみ
○シャーリー 1939-1969年 透明
○フロレンティネ 1931-1944年 透明、イエロー
○フクシヤ 1931-1944年 透明、薄紫
○ヴァノン 1927-1934年 アンバー、ブルー
○ヴェルサイルズ 1928-1944年 ブルー、ピンク、イエロー
○ウィローメラ 1939-1971年 透明のみ
■Fry Glass
Co.(1922-1933)……Rochester, Pennsylvania
■A.H. Heisey Glass
Factory (1896-1956) ……Newark, Ohio
(1957年 Imperial Glass Co.へ一部のパターンを売却。
○クリストライト 1937-1957年 透明
○クイーンアン 1930-1938年/1938-1957年 透明、ピンク、グリーン
○オールド
コロニー
1930-1939年 透明、ピンク、グリーン
○オーキッド 1940-1957年 透明のみ
※
“H”のマークは1900-1968年のもの。
■Morgantown Glass Co.(1901-1937)……Morgantown, West Virginia
○サンライズ
メダリオン 1930年代 ブルー、透明、グリーン、ローズ(ピンク)
■Paden City Glass Manufacturing Co. (1916-1951) ……Paden City, West Virginia
○オーキッド 1930年前半 イエロー、コバルトブルー、透明 他
○キューピッド 1930年代 ピンク、グリーン 他8色
○アーディス 1930年半ば-1940年代 アンバー、透明、ピンク、ブラック、ルビー
○ブラック フォーレスト 1928-1930年代 ピンク、透明、ブラック、グリーン、アンバー
○ゴシック ガーデン 1930年代-1940年代 ピンク、ブラック、グリーン、イエロー
■Tiffin Glass Co. (1847-1980) ……Steubenvill, Ohio; Tiffin, Ohio
(U.S. Glass Co.)
○チェロキー
ローズ 1941-1950年 透明のみ
○ディアウッド 1923-1933年 グリーン、ローズ
○フランデアズ 1927-1935年 透明、ピンク
○フクシヤ 1936-1940年 透明
○ジューン ナイト 1941-1958年 透明
私がディプレッショングラスと出合ったというか、気になり始めたのは、2000年頃だと思う。骨董好きにも、その時々に自身の中だけの流行がある。それは磁器であったり、陶器であったり、漆器であったりする。ディプレッショングラスにしても、5,6年前迄は、色と型が愛らしいと思うくらいで収集するまではいかなかった。気に入って買っても、暫く保持して人に譲っていた。それが、どんな拍子からか、いきなり気になり集めだした。骨董屋やオークション等で持っていない色、型を見ると留まる事を知らないように買い漁った。 ディプレッショングラスは愛らしく暖かい、エレガントグラスは美しく繊細、と私は感じるのである。
“アンティークショー”という広告、冊子があり、カリフォルニア州と隣接する州の骨董屋が載っている。それを片手にカリフォルニア州を北へ南へと、ディプレッショングラスを求めて小さな町の骨董屋に行っている。 田舎町の骨董屋は “Antique Shop” とは書かれているが、大都会(ニューヨーク、ロサンゼルス、サンフランシスコ)のように気構えた店はなく、棚は、商品を触ったら全体が崩れ落ちてくるのではと思われ、商品も10年は触ってないよと思われる埃だらけの店もある。1軒の店舗にディーラーが自分のブースを確保して出品する。ディーラーの数が店舗の大きさになる。
今、このディプレッショングラスを眺めながら、1930年代の不況を乗り越え、セットの中から割れることも無く生き残り、今又、100年に一度の世界経済大不況といわれている今の時代を再び乗り越えようとしている。
その時代の、気泡があったり、パターンにズレがあったり、傷があったりではあるが、グラス食器として大量生産された中から、いろいろな時代を経て生き残った器を見ながら力強さと、温かみを感じるのである。