ディプレッションガラス
  
世界恐慌の時代(1930年代)に世の中を明るくするために色つきのガラスが大量生産されました。それがディプレッションガラスです。
多くは、セット2ドル弱で売られていたようで、当時は小麦粉や紅茶、油などを買うと付いてくる景品としても人気だったということです。
しかし、恐慌時代が終わると、ディプレッションガラスは困難な時勢を思い出させる物として、多くがしまい込まれ、大量に処分されてしまったのでした。
ディプレッションガラスには色々なパターンがあります。コレクターも多く、アメリカの本屋には専門書が沢山あります。
そして、あのファイヤーキングを生産したアンカーホッキング社もディプレッションガラスを作っていたようですよ。


ディプレッションガラスのパターンをいくつか紹介したいと思います。
色もピンク、グリーン、ブルー、イエロー、アンバーなど様々です。
写真は"Dogwood"と呼ばれているものです。写真では上手く伝えられず、残念ですが、優しい色合いのピンクがとても素敵なんです!
この"Dogwood"にはthin(薄いもの)とthick(厚いもの)の2種類があります。
thinとthickでは、アンティークショップでの値段も異なり、thinのほうが若干高く売られています。
thinのほうがより繊細な感じがするので、個人的にもthinのほうが好きです。
カップの縁もthinのほうが微妙に波打っていて、かわいらしいんですよ。


写真は、"America Sweetheart"という名のパターンです。
名前にもとても惹きつけられますが、その模様もとてもかわいく繊細な感じです。
お皿自体の形も縁が花のようになっていて、かわいさが倍増します。
2種類ともMacBeth-Evans社が1930年代に作ったもので、淡いピンク色がやわらかい印象です。


要注意なのは、ディプレッションガラスには、リプロダクションが多いということです。
右の写真のヴァセリン色のボール、パターン名は"Horse shoe"で、主宰を師匠と仰ぎ、とても熱心にアンティークを勉強している方のものです。
これは、リプロダクションのない、とても貴重なもののようです。
リプロダクションがないことを勉強して探し、しかも安く購入されたようで、その方を見習わなければ!と思います。
ディプレッションには、そのほかにも"Cherry blossom"、"Cameo"、"Floral"、"Iris and Herringbone"、"Mayfair"、"Miss America"など、沢山のパターンがあります。
Anchor Hocking、Federal Glass、imperial Glass、Jeannette Glass、U.S. Glass、Hazel Atlas Glass, Paden City Glass 、Westmoreland Glassなどがディプレッションガラスを作っていたようです。
世界恐慌時に人々の心を明るくしたディプレッションガラスは、その優しい色合いと模様で、今では私達の心を穏やかにしてくれるようです。
そのものが作られた背景を知ると、愛着が増し、興味もより大きくなっていきますね!